皆さんが尊敬する大人はどんな人ですか?
力持ちの人?
頭が良い人?
友達が多い人?
誰にでも優しい人?
いつも笑顔でいる人?
今から850年前の鎌倉時代に、天皇や貴族などの身分の高い人たちから農民や商人などの一般の人たちまで、誰からも尊敬される法然上人というお坊さんがいらっしゃいました。
ではなぜ法然上人は誰からも尊敬されるようになったのでしょうか?
それは、“自分の弱さを素直に認めることができる人”だったからです。
厳しい修行にも耐える努力家で、誰よりも勉強に励んで人柄も良く、“弱さ”など全く感じない法然上人が、「私はわがままで、怒りっぽく、愚かな人間です」と、いつも語っておられました。ここまで自分の弱さを素直に告白することができたのは、弱い自分をありのままに受け入れて見守って下さる仏様の存在に気づかれたからです。
その仏様の名前を“阿弥陀仏”といいます。その阿弥陀仏に私の全てをお任せしますという気持ちで称えるのが「南無阿弥陀仏」というお念仏なのです。
法然上人がこのお念仏の教えに気づかれてから850年になります。
現代は先が見えにくい困難な時代です。そんな時代にあっても皆さんには、自分の弱さに気づき、支えて下さる存在に触れて、本当に強く尊敬される人になってもらいたいと心から願っています。