【慶讃法要】4月24日お説教②熊本 蓮台寺 浅野弘尚師

【今日のお説教ダイジェスト】
4月24日(水)午後
熊本 蓮台寺 浅野弘尚師

 

讃題「あひがたき仏法にあへり。この度出離の業をうへずばいつをか期すべきとおもふべき也」

 

 お釈迦様のお教えは八万四千あるといわれていますが、大きくわけると二つになります。ひとつには自らの力で修業し、戒律をたもち、智慧をきわめて悟りを開く「聖道門」の教え。もうひとつに、すべての命を救いたいと願いをかけて、その願いが成就した上で仏となった阿弥陀如来に救いを求める「浄土門」の教えです。

 

 阿弥陀様は、すべての命を平等に救うという慈悲をお持ちの仏様。私たちの極楽往生を、ご自身の成仏の条件にしておられる仏様。すでに遥か昔に阿弥陀仏となって極楽におられるということは、阿弥陀様の願いが果たされているということです。「だれ一人とりのこさない」という阿弥陀様のみこころに思いをいたせば、どんな人でもできる「お名前を称えること」こそが、阿弥陀様から差し伸べられた救いの手立てに違いない。苦しみの中にある全ての人たちへの救いの道は、南無阿弥陀仏と称えることただひとつなり」そう確信した法然様は、お念仏の教えを世に広められました。

 

 私たちの世界は「苦しむことを約束されて生まれてくる世界」に他なりません。「出離の業」とは苦しみの世界をはなれるための手立てのこと。人として生まれることも仏法に出会うこともはなはだ難しいですが、出会うことが出来たのです。今この人生で「出離の業」に出会わなければ、いつその機会が訪れるのでしょうか。

 

「いかにして 我極楽に 生まるべき 弥陀の誓いの 無き世なりせば」

 

 法然様は「今の世での機会を逃してはなりませんよ」そうお示しくださっています。苦しみの世界を離れる手立ては、すでに阿弥陀様によってご用意されていると、お説きになられました。このみ教えを心から感謝して、お念仏を申したいものです。阿弥陀様の願いの力で、苦しみの世界を離れて極楽に往生していくことが、約束されているのです。