【慶讃法要】4月27日お説教①愛知 常福寺 秋田雄源師

【今日のお説教ダイジェスト】
4月27日(土)午前
愛知 常福寺 秋田雄源師

 

讃題 「ただし三心四修と申すことの候は皆決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞと思う内に籠り候也」

 

 良い香りを嗅いでいますか?寒い冬が終わり春を迎えました。いろいろな花が咲き、木々の若葉も芽生えて新緑がどんどんと美しくなる季節です。自然の大きな力を感じます。そんな春は香りも楽しめる季節ではないでしょうか。花の香り、新緑の香り、畑や田んぼの土の香り、太陽の日差しの香り、旬の野菜や果物の香り・・・。

 

 では、良い香りを出していますか?私たちの「心」からは香りが出ています。良い香りもあれば、悪い香りもあります。思いやりのない言葉、助けてもらっているのに感謝の言葉もない、不平不満や愚痴を言ってばかり、、、知らず知らずの間に広げてしまっているかも知りません。こういう香りは嗅ぎたくありません。

 

 法然上人は自らを「愚痴の法然」と仰っています。私たち人間はそういう弱い生き物なのですよと。上人がそうなら、私たちはいかに周りの人に鼻を押さえたくなるようなことを繰り返しているのか、と考えてしまいます。

 

 「三心四修」とは、充実した生活を送るための三つの気持ちと四つの行ないの事です。まっすぐで素直な心を持ちましょう、あきらめない強い心を持ちましょう、思いやりのある優しい心を持ちましょう。人を敬い、何事にも一生懸命に、積み重ねを大切に、いつまでも学ぶことを大切に。これらを心に留めて、良い香りが広げられる毎日を送りたいものですが、人の心はいつも揺れ動いています。しかし仏さまを信じて一心にお念仏を唱えていると、自然と人の心の中に備わってくるものなのですよ、と上人は仰ってるんです。仏さまが私たちに手を差しのべて下さっているのです。

 

 仏さまのような方は、皆様の周りにもいらっしゃいませんか。楽しいことがあれば一緒に笑う、悲しいことがあれば一緒に涙を流し合う。あなたと一緒に居て下さる方がきっといらっしゃるはずです。

 

 そんな優しい仏さまに、私たちが静かに手をあわせて語りかける言葉がお念仏、「南無阿弥陀仏」です。心無い言葉や態度、愚痴や不平不満を口にしてしまうのは色々な苦しみや迷いを抱えているということ。こんな弱い私たちを良い香りで包み込み、大丈夫だよと見守って下さっています。お念仏は仏さまへの感謝の言葉、ありがとうの気持ちが込められているのです。