なむあみだぶつも知らない人に読んでもらう法然上人絵本をつくる
『そのとき門はひらかれた 法然上人ものがたり』は、立教開宗850年の記念事業として作った絵本です。宗派のお檀家さんたちだけでなく、広く一般の人に法然上人のことを知ってほしい。それこそが立教開宗の理念に応えることだと思いました。特にこれからの時代を生きていく若い人たちに、法然上人の教えを伝える本を作れないか。そう考えて宗教書の出版社ではなく、アリス館という一般の絵本出版社に相談に乗ってもらいました。アリス館の編集チームとお坊さんの絵本制作チームとで話し合いを重ね、少しずつ絵本の形をつくっていきました。
お坊さんチームの制作意図を汲んで、まず全体の構成や絵本パートの本文原案をアリス館の編集チームが考えました。それに沿って解説パートの文章は教学やお説教を学んでいるお坊さんチームが書き、絵はイラストレーターと二足のわらじを履くお坊さんが描いていきました。できたものにみんなで意見を出し合い、だんだんと磨き上げていきました。
編集チームの中には家がキリスト教の人もいて、ミーティングでは「阿弥陀さまとお釈迦さまは違う人なんですか?」とか「なむあみだぶつって何?」という質問も出ました。「南無阿弥陀仏を称えれば救われる」という短い教えを伝えるためにこんなにも前提として知っておかなければならない事(仏教の教え)があるのか!と改めて感じるなど、お坊さんにとっても気付きの多いミーティングでした。編集チームも法然上人の教えをよく理解してくれて、それをどうすれば一般の人に伝えられるのかを考えていきました。
すべての人を救いたい!と願った法然上人の立教開宗への軌跡を描いた絵本。すべての人に読んでほしい1冊になりました。