「どんな世界をつくろう?」
その願いは四十八条からなります。
例えば「地獄・餓鬼・畜生の苦しみがない世界」。
地獄の苦とは永遠に途切れることのない苦しみ、
餓鬼の苦とは果てしのない飢え、
畜生の苦とはいつ殺されるかもしれないという恐怖です。
浄土にはこの三つの苦しみがありません。
対して私たちの生きている世界は
この三つで満ちているということになります。
例えば「すべての存在が金色に輝いている世界」。
今、私たちはいろんなものを差別しています。
人種、職業、貴賎、性差。
そのような差別なく、
すべての命がそれぞれ輝いているという世界。
例えば「好き嫌いのない世界」。
私たちは好きか嫌いで物事を判断してしまいます。
そしてこの対立から抜けだすことができません。
この対立を超えたところにある本当の美しさに
気づくことができるという世界。
この三つをはじめとした四十八の願い、
これを「四十八願」と言います。
しかし、いくら素晴らしい世界が説かれていても、
私たちには想像することさえできません。
そこで天女が舞い飛ぶような世界として
お釈迦様が提示してくださったのです。