20代のあなたへ

きっと不安な日々を過ごしていることと思います。
会社に就職するのがこの世の掟のように信じて
無我夢中でここまできたら、
コロナで世界が止まってしまった。
今まで偉そうな顔をしていた大人たちは途端に青ざめ、
立ち尽くし、言葉を濁している。
そう、彼らが生きてきた常識はすでに通用せず、
この先どこに進めばいいのか
偉い人たちにもわからないのです。

人新世と呼ばれる程に、
ここ数十年人間は自分の力を過信して
地球の環境をわがもの顔でお金に変えて、
自分さえ良ければそれで幸せになれるつもりでいました。
そんなことで幸せになれるはずなんてない。
実はみんな気づいていたけれど、
もっともっとと膨れ上がった欲望を止められずに、
海を汚し、森林を破壊し続けて、
結果、資源の枯渇と
激しい気候変動につながる温暖化のスピードを早めて、
自分の首を絞める手を
ゆるめることができないでいる。
このパンデミックも、
そんな人の欲望が呼び出した、
一つの象徴のように思えます。

これから先、世界はどうなっていくのだろう。
僕たちはどうやったら幸せになれるのか。

そのヒントが、
法然上人というお坊さんが
今から850年前に提案した
新しい仏教のかたちにあるのではないかと
私たちは思っています。
自分以外の全ての人たち、
動物たち、植物たち、鉱物たち、
山や川や水や空や風や、地球や宇宙、
遠い過去と遥かな未来、
自分をとりまく全てのものに敬意を払い、
感謝しながら生きること。
法然上人の開いた「おねんぶつの教え」は
そんな教えです。

この数十年のあいだ人間が忘れていた教えです。
これからの世界を生きていくために
みちしるべとなる教えです。
この「立教開宗850年プロジェクト」では
忘れられつつある法然上人の哲学と実践方法を、
今のことばで今の人たちに
伝えていく試みをしようと思います。
これからの世界を創っていくあなたに
法然上人の教えを届けることができるかどうか。
そこに地球の未来がかかっている。
(そして私たちの宗派の存続も。)
私たちはそんな覚悟で望みたいと思っています。