誰でも参加できるイベントをする意義について

宗祖法然上人立教開宗850年に向けて、今回いくつかのイベントを企画しています。お檀家さんや信徒さんだけでなく、誰でも気軽に参加してもらえるもの。でも法然上人の教えを感じてもらえるようなもの。「法要」や「お説教」「教学関係の書物の出版」だけでいいじゃない?と思われる方もいるかもしれません。けれどあえて「イベント」をして、たくさんの一般の人と交流してみたいと思っています。

一般的に物事の道理が“わかる”ことを「理解」といいます。これは知識や記憶のように頭で物事がわかるということです。また、「領解」も“わかる”を表わす言葉の一つです。「領」の文字には首や襟という意味があり、「うんうん、なるほど」と首を縦に振ってうなずく様で“わかる”を表現しています。

では、仏教ではどうでしょうか?

仏教で“わかる”は「体解」(たいげ)といいます。まさに身をもって知るということです。文字や情報を知識として理解していくこともとても大切ですが、古来から「腑に落ちる」とか「身に沁みる」といわれるように、自らの身体を通じて覚えたものは決して忘れたり消えたりすることがありません。寺院で学問以上に「行」(ぎょう)が大切にまた厳しく行われるのもこのような理由があるからです。

たくさんの人に法然上人の教えを「体解」してもらうすべとして、イベントは最適かも?と考えました。楽しみながら、体で感じて、頭で「領解」(仏教では”りょうげと読みます)してもらえたらいいなと思っています。

令和6年の「宗祖法然上人立教開宗850年」に向けて総本山永観堂禅林寺でいくつかのイベントや法要の開催が予定されています。どんな人たちがどんな思いでどんなイベントを作っていくのか、このwebで紹介していこうと思います。ご縁があれば是非会場に直接足を運んでいただき、ご自身の身体で、五感全てで法要やイベントを味わってもらいたいと願っています。