お経は願い

仏の教えが行き渡った世界はどうなるのでしょうか。私たちが普段お読みするお経(『仏説無量寿経』)の中に、その答えが書かれています。

 

天下和順(てんげわじゅん) 
日月清明(にちがつしょうみょう)
風雨以時(ふうういじ)   
災厲不起(さいれいふき)
国富民安(こくぶみんなん) 
兵戈無用(ひょうがむゆう)
崇徳興仁(すとくこうにん) 
務修禮譲(むしゅらいじょう)

 

世の中は平和に治まり 太陽や月は清らかで、明るく輝き
時季よく雨が降り、風が吹き 災害や疫病は起こらず
国は豊かで人々は心穏やかに過ごし 軍隊や兵器に訴える必要もなく
相手を尊重し、互いに思いやりの心をもち 礼儀正しく、譲り合いの心をもつようになる

 

お経にはたくさんの願いが詰まっています。

お釈迦様の時代も、法然上人が生きた戦乱や天災の相次ぐ混迷の時代も、そして私たちが生きる今の時代も、皆の願いは同じはずです。

戦争は憎しみや悲しみ、そして虚しさしか残りません。
願うことの虚しさを感じながらも願わずにはおれません。