法然上人は多くの貴族から支持を得ていましたが、中でも前関白・九条兼実(さきのかんぱく・くじょうかねざね)公は法然上人の教えに深く心を動かされた人でした。兼実は法然上人に念仏の極意をしるした書物を書いて欲しいと頼みました。この時法然上人は66歳。「選択本願念仏集(せんちゃくほんがんねんぶつしゅう)」の編纂が始まりました。一大プロジェクトだったので、スタッフには優秀で信頼のおけるお弟子が選ばれましたが、その中には22歳の西山證空上人もいました。最年少です。勘文の役(かんもんのやく/経典検索係)と執筆を担当するという、大抜擢でした。