「結局ね、赤に勝るものはないのよ。巡り巡ってやはり赤に落ち着くのよ。」
「いやいや、君は分かってないね。黄色があるから赤も引き立つってもんだよ。赤だけだとおもしろくないと思うよ。」
「色づき始めているグラデーションもみじはどう?一つの葉の中で、青・赤・黄のそれぞれの世界があって、これこそ紅葉の醍醐味だと思わない?」
「悪いけど、私は通好みだから、新緑の青々としたもみじ派なのよ。だって私みたいに若々しく、瑞々しいでしょ。」
「君たちね、上ばかり見てないでたまには下にも目を向けてみたらどうだい?真下に広がるもみじのじゅうたんは格別の味わいだよ。もみじは散ってなお良しだよ。散った後も存在感を出す、誰かさんみたい(笑)。」
みんな違ってみんないいのです。皆、他の色にはない良さをそれぞれ持っています。
今は葉っぱが主役です。
どうぞもみじの永観堂へお運びください。