緑の美しい永観堂で、6月19日夏井いつき「俳句のある人生」講演会が開催されました。今回は、梅雨の時期でしたが、雨も降ることなく、多くの方にご参加いただきました。
特に印象に残ったのは、先生のお話の中で、俳句ファンが減少し、このままでは100年後には俳句は残らないかもしれないとの危機感をいだいた時に、「富士山はなぜ美しか?広いすそ野があるからではないか。このすそ野を耕すことを私のライフワークにしよう」と、心を定められました。そして、まず子供たちのいる学校へ行き、子供たちに俳句に親しんでもらう句会ライブを始められました。
確かに雪を頂いた山頂は美しいです。しかし、それも、あの広い雄大なすそ野があってこそ、富士山は日本一美しいのです。
このお話を聞いた時に、今から850年前に山を降りて、民衆の中に飛び込んだ法然上人のことを思い起こしました。叡山の学問は確かに素晴らしい。しかし、それを支える一般庶民があっての仏教ではないか?その庶民を救うために、これからは生きて行こうと決心され山を降りられたのではないか?そんなことを考えました。
アンケートでは、「とても楽しかった」「活力をいただいた」「プレバトの話が面白かった」「俳句の良さがわかった」「直接お話を聞けて感動した」「句会ライブに参加してみたい」「人生の転機になる様な日になりました」とか、沢山の有難い感想をいただきました。
8年間で教員生活をやめ、俳句を生業として生きて行こうと決心され、その後の人生を「俳句を人生の杖」として生きてこられた夏井先生の感動的なお話は、美しい緑に囲まれた永観堂での素敵な記念講演会となりました。先生や参加された皆様、準備された関係者に感謝いたします。