法然上人の開いた新しい仏教の教えは、瞬く間に貴族や武士や一般の民衆、性別や年齢を超えて、多くの人たちに受け入れられ、広まっていきました。「難しい修行や学問をしなくても、優秀なものでなくても、間違いなく苦が全くない阿弥陀様の国に生まれることができる!」。そのあまりにも斬新な教えに、諸宗の教えを極めたお坊さんたちは戸惑いました。その真意を問い正そうと大原の勝林院というお寺を会場に、法然上人と討論会を開くことになりました。最初は言い負かしてやろうと思っていたお坊さんたちも、法然上人の仏教と浄土の教えへの理解の深さと、今の時代に必要なのは「専修念仏」なのだという情熱と説得力に、最後は深く感動し、賛同したのでした。