貴族、武士から庶民に至るまで様々な人々がお念仏の教えを受けるべく法然上人のもとを訪れましたが、鎌倉幕府の御家人であった宇都宮頼綱(実信房蓮生)もその一人でした。頼綱は箕面の勝尾寺に留まっておられた法然上人を訪ね、お念仏の教えを学びましたが、法然上人が老齢であったこともあり、「上人亡き後はお念仏の教えをどなたに師事して学べばよいでしょうか」と尋ねたところ、法然上人は「證空に」と答えられました。自らの弟子となって以来23年間常に側に仕え、その教えのすべてを受け継いだ證空に自らの亡き後の事を託されたのです。頼綱はその後證空に師事し、40年あまり行動を共にしました。